「名古屋の名門・ホテル長楽〜SNAIL RAMPの作り方・22」タケムラ アキラ『炎上くらいしてみたい』

連載・コラム

[2019/6/13 12:00]

1990年代後半から2000年代のバンドシーンを牽引したSNAIL RAMPのフロントマン・タケムラ アキラが書きたいことを超ダラダラ綴っていく新連載!


前回はSNAIL RAMPが初めて福岡に呼ばれ、ウッキウキで行ったら宿泊がゴミ屋敷だった話をした。今回は初めて名古屋にライブで呼ばれ、これまたウッキウキで行ったときの話だ。

福岡に行くその前後どちらかで、名古屋からもお呼びがかかり、東名高速をかっ飛ばしてSNAIL RAMPの3人は名古屋に入った。『BANK SHOT』というライブ&DJイベントの主催者が呼んでくれたのだ。そのイベントにレギュラーで出ていたのが、名古屋SKA-COREの雄・小島であり、彼らとの付き合いはこの1995年12月だか1996年1月からということになる。

約2年後にはこの『BANK SHOT』も大バコ『名古屋DIAMOND HALL』をソールドさせるような一大イベントに成長していくのだが、このときはまだキャパ150〜200人程度のライブハウス『HUCK FINN』で開催しているイベントにすぎなかった。

SNAIL RAMPを呼んでくれた主催の芝草は電話口で、「泊まるんだったらHUCK FINNのすぐ近くに安いホテルがあるので、予約しときましょうか? 長楽っていう有名なホテルですよ」と言ってくれた。「有名なのに安いとか最高だな! じゃあ頼むよ」と軽い気持ちでお願いし、俺たちは初の名古屋ライブにワクワクしながらHUCK FINNに乗り込んだ。

本番前のリハが終わり、芝草に「ホテル、ここなんでチェックインして休んでください」と示されたのは、本当にすぐ隣と言っていい位置に建っている小さな細長いビルだった。建物内はなんだか薄暗いが、俺たちは気にも留めずフロントらしき小さな窓口に「予約した者ですけど」と呼びかけた。(次ページへ)