「スネイル、ダウンタウンに会いに行く⑥~SNAIL RAMPの作り方・55」~タケムラ アキラ『炎上くらいしてみたい』

連載・コラム

[2021/9/23 12:00]

1990年代後半から2000年代のバンドシーンを牽引したSNAIL RAMPのフロントマンであり、キックボクシングで日本チャンピオンにまで上り詰めたタケムラ アキラが書きたいことを超ダラダラ綴っていく新連載!


HEY!×3初出演時の話を始めてはやくも第6回。ちょっと引っ張りすぎな気もするがエピソードがそもそも多いし、それを忘れずに覚えてるから端折れない。

前回はいよいよオープニングとトーク収録が始まろうとするところだったはず。前室に集められた全出演者。浜崎あゆみ、鈴木あみ、モーニング娘。、そしてSNAIL RAMP。あ、そういえば当時のドラム・石丸が「あのときはチェキっ娘もいましたよ」って言ってたんだけど、チェキっ娘がいたのは別の回じゃなかったっけ? 覚えている人がいたらTwitterアカウント(TAKEMURAAKIRA)まで教えてください。

で、オープンニングの登場シーン収録のためにみんなが並んでた。俺の前だかすぐ横がモーニング娘。の飯田圭織さんだったんだけど、彼女が俺をチラッと見たあとに二度見してこう話しかけてきたんだよね。

「あの……それで出るの?」

俺はまったく意味がわからなかった。たぶん「え? 何で?」みたいに聞き返したとは思うが、その記憶も定かでないくらい面食らったのは覚えている。

「そのまんま出るの……?」

飯田さんはもう一度、俺にきいた。ようやく合点がいった。彼女は「衣装に着替えないで出るの?」と言いたかったに違いない。

「あー、俺たち衣装とかって着ないんだよ。いっつもこのまんま」

そう答えたのだが、彼女は「???」みたいな表情で俺を見つめていたので「俺たちみたいなバンドマンは、衣装とか別にいらないんだ。でもモー娘。のみんなとかは普通着るもんね」と説明した。

衣装がないことは別に恥ずべきことでもなんでもないし、なんだったら少し胸を張って説明したかもしれない。しかし、次の瞬間に俺は「ハッ!」となる。飯田さんはちょっと小声で言った。もしかしたら独り言だったのかもしれない。

「でも、びしょびしょ……」

ぬぁぁぁあああ!!! しまったぁぁぁあああ!!!

これを読んでくれている読者のみなさんもとうに忘れてしまっていると思うが、この日は本降りの雨。渋谷CLUB QUATTROでのライブとダブルヘッダーで時間がタイトだったために、車ではなく電車移動。傘を差していたはいたものの、駅まで歩いたりしている間に下半身、特に膝から下は完全に濡れておりパンツの色が明らかに変わっているような状態だったのだ。

確かに「それで番組に出演するの……?」ときいてしまうわな。

「うーむ」とは思ったが、替えの服などはない。「ま、このままでいいっしょ」みたいなやり取りを飯田さんとしていたら、その異変に気づいたメイクさんたちが「え!大変! 乾かしましょう!!」と大慌て。

モー娘。やそのほかのメイクさんたちが一斉に俺たちに駆け寄り、俺たちをドライヤーでブオンブオン乾かし始めた。俺に対しても2〜3人がかりで乾かしてくれたために、ビッショビショだった裾すらパリッパリに渇きめっちゃ快適になった。

この日のオープニング収録は「SNAIL RAMPの渇き待ち」で若干押したものの、飯田さんとメイクのみなさんのおかげで「SNAIL RAMP、HEY!×3にびしょびしょで初登場!」とならずに済んだ。

飯田さんとあのときお世話になったメイクチームのみなさん、本当にありがとう。

みなさんに何かあったときは俺がパリッパリに乾かすんで! (つづく)

ラジオ日本にてタケムラアキラ(竹村哲)のラジオ番組がスタート!

ラジオ日本『竹村哲のアキラめないで!』
放送時間:毎週日曜日 25時00分〜25時30分
番組HP:http://www.jorf.co.jp/?topics=akiramenaide

下記インタビューページ下部にて『竹村哲のアキラめないで!』のアーカイブを公開中!
https://www.894651.com/column/watashi-yorokobi

タケムラアキラ

竹村哲●1995年にスカパンクバンドSNAIL RAMPを結成。2000年にリリースしたアルバム『FRESH BRASH OLD MAN』でオリコン1位を獲得するなど、一時代を築く。バンド活動と並行し、2001年からキックボクシングを始め、2014年10月に43歳の年齢でNKBウェルター級チャンピオンに輝く。2015年12月12日には後楽園ホールにて引退試合を行なった。SNAIL RAMPは現在、“ほぼ活動休止”中。