彼らの歴史のなかでも重要な初期作〜ジューダス・プリースト『運命の翼』〜平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)連載

連載・コラム

[2019/7/17 12:00]

ジャケットも知的で深みのある音楽性を見事に表現している。カッチリと固まった動きのない絵ではあるが、繊細な肉体表現のうまさなど、ヘヴィメタルアルバムのジャケットのなかでも相当画力は高いほうだと思う。バンドロゴもこの頃のほうがかっこいい。

それにしてもこのアルバムでもそうだが、メタルアルバムのジャケットに登場する天使というのはやたらとひどい目に合っていることが多い。以前この連載でも紹介したブラック・サバスの『クロス・パーパシス』では羽を燃やされ、ヴァン・ヘイレンの『1984』では煙草を吸わされ、そして『運命の翼』では地獄に落とされ……。まあメタルの世界では主役は天使よりも悪魔なので仕方のないことかもしれないが。

しかしこの約30年後、プリーストは『エンジェル・オブ・レトリビューション』というアルバムを発売する。そのジャケットで炎のなかから復活した鋼鉄の天使がこの『運命の翼』のジャケットの天使なのかどうかは全然わかりませんすみません。

平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)

ひらい“ふぁらお”ひかる●1984年3月21日生まれ、神奈川県出身。2008年に新道竜巳とのお笑いコンビ“馬鹿よ貴方は”を結成。数々のテレビ/ラジオ番組に出演するほか、『THEMANZAI2014』『M-1グランプリ2015』の決勝進出で大きな注目を集める。個人では俳優やナレーターとしても活躍。音楽・映画観賞や古代エジプト、恐竜やサンリオなど幅広い趣味を持つ。