ヤツの顔面とは明らかに質が違う!〜布袋寅泰『DOBERMAN』〜平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)連載
[2019/7/24 12:00]
それにしてももともと顔面といい体のでかさといい隣に氷室さんがいることといい怖いイメージの強かった布袋さんだが、この『DOBERMAN』のジャケットはというとどうだ。
もっと怖くなった。
思わず目をそらしたくなるほどの圧倒的な眼力。まるでこちらの心の内をすべて見透かしているかのような強烈な視線。アーティスト名、タイトルをあえて表記させていないのは、とにかく俺の目をまっずぐ見ろ、まっすぐにこのアルバムと向き合ってみろという自信の表れなのではないかと思う。同じくただの顔面ドアップのシンプルなジャケットで、以前ヒドいジャケットとして紹介したイングヴェイ・マルムスティーンの『フェイシング・ジ・アニマル』とは明らかに質が違う。このジャケットがそのまま証明写真になったら怖すぎる。刃のような鋭いギターの音色をそのまま表情で表したかのようなすさまじいジャケットである。
うしろめたいことだらけの我ら現代人。こんな眼力で睨みつけられたら余計なことまでベラベラと白状してしまいそうだ。犯人の取調べのときはこのジャケットを目の前に置くのが一番効果的なのではないか?