80's感満載の『MICHIKO LONDON KOSHINO』がキテる感〜ポップアップショップオープンに向け関係者を直撃!
『ミチコ ロンドン コシノ』のポップアップショップが原宿にオープン!
1980 年代ロンドンのファッションシーンに大きな影響を与え、近年リバイバルブームの兆しをみせるファッションブランド『ミチコ ロンドン コシノ』。同ブランドが 3月4日から17日までラフォーレ原宿にてポップアップショップをオープンする。『ミチコ ロンドン コシノ』は2015年10月にも同地でポップアップショップを展開し、好評を博した。
『ミチコ ロンドン コシノ』と音楽
『ミチコ ロンドン コシノ』を手がけるコシノ・ミチコは、2011年に放送されたNHK のテレビ小説『カーネーション』のモデルになったコシノ三姉妹(コシノヒロコ・ジュンコ・ミチコ)の三女。1973 年に単身でイギリスにわたり、40 年以上が経過する今もイギリスを拠点にデザイン活動を行い、日本人では初めてBFC 英国ファッション協会において正式会員となった。そんな彼女が、1986年にスタートさせたブランドが『ミチコ ロンドン コシノ』だ。ロンドンのストリートで支持され“ストリートファッション”の礎を築いたとも言える同ブランドは、スキンズ、パンク、ニューウェイヴ、ニューロマンティックなどさまざまなシーンが生まれた1980 年代のロンドンのクラブで流行した。下写真でモデルが着ているジャケットは、空気を入れて膨らませる“インフレータブルジャケット”。寒いロンドンでこれを着てクラブに並び、中に入ったら空気を抜いて遊ぶという画期的なアイテムだ(当時のクラブではこちらのアイテムを着ているとドアマンに早く場内に入れてもらえたらしい!)。もちろんこのジャケットも1980年代に生まれたもの。非常に斬新なデザイン&アイデアを湛えたアイテムであり、どれだけ『ミチコ ロンドン コシノ』が最先端だったかがわかるだろう。
おしゃれになりたい!おしゃれがほしぃ!
1980年代カルチャーのリバイバルブームなどもあって、そんな『ミチコ ロンドン コシノ』がおしゃれに敏感な人のあいだで注目を集めている。おしゃれコンテンツに欠ける耳マンも、イケてるサイトになりたい! ……ってことで『ミチコ ロンドン コシノ』をよく知るおふたりに会ってきましたよっ!
今回会ってきたのは、谷垣春樹氏(左)と森一馬氏(右)のふたり。谷垣氏は『ミチコ ロンドン コシノ』のOBで、同ブランドの創設メンバー。当時のチーフコーディネーターを務め、1980年代のロンドンカルチャーを知り尽くした人物とも言える。現在、同ブランド30周年の“アーカイヴ・プロジェクト”を立ち上げ復刻アイテムの企画生産を担当する。森氏はアパレルショップ『Uggla』の代表。同ショップでも『ミチコ ロンドン コシノ』を取り扱い、今回のラフォーレ原宿ポップアップのディレクション、PRも担当している。スタジオミュージシャン、音楽ディレクターとしての素顔ももつ。
INTERVIEW
――1980年代のリバイバルブームですが、どう感じていますか?
谷垣:1981年に原宿で仕事をしていましたけど、今の原宿にはそのときの雰囲気がありますよね。古着だったり、かなり尖ってるファッションだったり、キャラクターものだったり、いろんなものが混在していて。今の原宿はすごくおもしろいと思います。
――昨年に開催した『ミチコ ロンドン コシノ』のポップアップショップも盛況だったようですが、このブランドがなぜ注目されていると思いますか?
森:ファストファッションの流行でおしゃれする人の層は増えましたが、人々がそれに飽き始めて、もっといろんなものを着てみたい思うようになってきてると思うんです。そういうなかで、プライスゾーン的にも選べる選択肢のなかにミチコロンドンみたいに尖ったブランドがある。きっと若い世代の人たちにはこのブランドを知らない人もいると思いますけど、デザイン面もかなり新鮮に映っていて、着てみたいっていう人が増えてきてるんじゃないかと思います。僕は高円寺や原宿でミチコロンドンの古着が流行りはじめていたのを見ていたので、前回のポップアップで復刻版を見たとき、「これだ!」って思って……。
谷垣:その前回のポップアップショップで注目された、我々がno,233と呼ぶコートは40年前のデザインですからね。20代の子は生まれてない時代だし、すごく新鮮なんだと思います。音楽もファッションも2周くらいまわって戻ってきた感じですよね。
――確かにかなり斬新なデザインのアイテムがありますが、そもそも『ミチコ ロンドン コシノ』はどんなコンセプトで生まれたんです?
谷垣:ブランドを始めるときに、それまでにはないカテゴリ(文化)を作ろうっていう話はしていました。既存の枠の中に埋もれてしまうものは面白くないし必要ないだろうと。テーマは「アタックカルチャーを作ろう」でしたね。めちゃくちゃ尖ったカルチャーっていうことです。そこからサブカルチャー、そしてマスなカルチャーになっていけばいい。だから最初は一番尖ったところをやりましょうよっていう感じだったんです。
森:当時はそもそもストリートファッションなんて言葉なかったですからね。それを作ったのがミチコロンドンとも言えると思います。ロンドンのショップ店員もスキンズとか本当に尖った人ばっかりで、“ダサいやつには売らない”っていうスタンスだったんですよね?
谷垣:そうそう。当時のロンドンのクラブって、『ミチコ ロンドン コシノ』とか『MOTORKING』(※コシノ・ミチコによるライダー系ファッションブランド)を着てるとすぐにドアマンにピックされて入れてもらえて。流行ってるクラブに入りたいからみんな買いに来るんだけど、そういう人ばっかりになってもクラブも困るだろうし。やっぱりおしゃれな人に着てもらおうって。
――クラブや音楽カルチャーとファッションが密接にリンクしていたんですね。
森:まさにそうだと思います。ミチコさん自身、本当にいろんな音楽を聴きますし、たくさんクラブにも行っていましたからね。この間もこのシンガポールナイトで飲んだとき、ジャー・シャカ(※イギリスのレゲエミュージシャン)の話で盛り上がったんですよ(笑)。当時ロンドンで毎週イベント行ってたって! ポリスのメンバーがお客さんだったり、僕らの世代にとっては夢みたいな話。
谷垣:1986年5月に日本でミチコロンドンのデビューとなるファッションショーをやったんですが、そのときも当時ロンドンで盛り上がっていたクラブ“The Wag Club”の人気DJに、ランウェイでプレイさせたりしました。当時、海外のDJが日本でプレイするっていうのはすごく珍しかったんですよ。そういう風に常に音楽とリンクさせて展開してきましたね。海外では多くのアーティストが着てくれていましたし、日本では久保田利伸さんのデビュー時から数年間、ミチコロンドンがプライベートからステージ衣装製作まで担当していました。
――これから『ミチコ ロンドン コシノ』はどうなっていくと思いますか?
谷垣:最近は若い人たちが上の世代と交流をもったりしないですが、僕はそういう場でいろんなことを吸収させてもらったので、次のポップアップショップはそういう交流の場にもできたらなと思っています。若いクリエイターと一緒に仕事もしたいですし、ミチコが作ってきたDNAを受け継いでほしいですから。
森:仕事柄いろんな尖ったブランドを見ていますが、『ミチコ ロンドン コシノ』のアイテムや当時の空気感ってやっぱり特別だと思うんです。ロンドンで一時代を築いて、ストリートファッションを生んで……服を着るというか、まさに文化を着るみたいな。これってやっぱりものすごいことですから、その魅力を広めていきたいですね。ゆくゆくは店舗もやりたいと思っています! ちょっと入りにくいくらいカッコいいお店にして(笑)。
谷垣:いいね、昔はそういう店たくさんあったもんね。ぜひ、よろしくね。
『ミチコ ロンドン コシノ』ポップアップショップ詳細
日時:2016年3月4日(金)〜17 日(木)11:00〜21:00
場所:東京・ラフォーレ原宿 1 階エントランススペース