ファン待望の『人間椅子/戸川純』ツーマンライブをイラストでレポート!

特集・インタビュー

[2016/6/24 17:00]

ファンから悲鳴があがった!? 人間椅子と戸川純のツーマンライブ
3月19日に東京・赤坂ブリッツで開催された人間椅子の『怪談 そして死とエロス〜リリース記念ワンマンツアー〜』ファイナルにて、衝撃的で嬉しいニュースが発表されました。ライブ本編終了後、アンコールを受け再び登場したメンバーたち。そのなかで人間椅子が戸川純とのツーマンライブを行うことが発表されたのです……。そのとき客席からあがった「キャー!」という悲鳴は決して忘れることはできません。人間椅子と戸川純、両者ともに独特の世界観を構築し、音楽ファンのみならずミュージシャンからのリスペクトも絶えない存在。ありそうでなかったこの2組の対バン、叫び出したいくらい興奮するのも納得です。今回は、そんな『人間椅子/戸川純』のライブの模様をよりエモーショナルに伝えるべく(!?)イラスト付きでレポートします! 同公演を観に行った人も行けなかった人も、貴重なツーマンライブの模様を少しでも感じていただけたら幸いです。

最初に登場したのは人間椅子。和嶋慎治(ギター、ボーカル)、鈴木研一(ベース、ボーカル)、ナカジマノブ(ドラム、ボーカル)の3人が厳かな雰囲気で現れ、和嶋の強烈なリフから始まる『雪女』から『地獄の球宴』を立て続けに演奏し、会場を恐ろしくも美しい人間椅子の世界へ誘います。オーディエンスもその誘いに声援と拳を突き上げて応じ、すでにフロアには熱気が充満。恐ろしさと熱気が入り交じった“死”と“生(エロス)”の両方を感じさせる空間となりました。続く『戦慄する木魂』や『蟲』では予想できない曲の展開や卓越したテクニックでさらにオーディエンスを圧倒します。ライブでの定番曲『なまはげ』では、さらにおどろおどろしさ全開のパフォーマンスがくり広げられました。和嶋氏・鈴木氏が交互にボーカルをとっていましたが、『超能力があったなら』ではナカジマ氏が歌唱。曲によってボーカルが代わり、各々の個性を感じられるのも彼らの魅力のひとつです。ラスト『針の山』で会場は激しく盛り上がり、フロアの熱を最高潮に上げたままアクトは終了。熱狂のまま次の戸川純へ繋ぐその姿が何とも粋! 1曲目からラストまでオーディエンスを飽きさせることなく、まるでひとつの物語を観ているかのような独特な世界を作り上げていました。

続いて登場したのは戸川純。彼女の写真がプリントされたTシャツで揃えたバックバンドの演奏のなか本人が華麗に登場し、バンド・ヤプーズや“戸川純ユニット”名義の曲などバラエティ豊かなキラーチューンを連発しました。中盤では「私がライブで曲のタイトルを告げてから演奏を始めるのは、タイトルも歌詞のひとつだと思っているところがあるから」だと明かし、「タイトルが歌詞に出てこない曲」だという『赤い戦車』を披露。彼女の歌にはライブでしか聴くことのできない迫力と臨場感があり、少しずつ年齢や経験を重ねた“今”だからこそできる表現だと感じました。続く『諦念プシガンガ』『蛹化の女』であどけなさをも感じさせる透き通った歌声を聴かせたと思えば、『バージンブルース』では妖艶で凄みのある声を響かせるなど、曲によって声色をコロコロと変える彼女から終始目が(耳が)離せません。戸川氏が書く歌詞は言葉ひとつひとつが繊細で美しく、歌になって彼女の口から発されるごとに新しい印象が感じられます。そして、少しずつ年齢や経験を重ねた“今”だからこその深みのある表現を、ライブの臨場感とともに体感させてくれました。『電車でGO』の曲中では、決まった場面でオーディエンスが笛を吹くのが定番となっているのですが、みなさん少しのリズムも狂わずにぴったりと笛の音色を合わせていて、完璧すぎる演出にファンの愛も感じました。

本編ラストの曲『肉屋のように』では人間椅子の和嶋氏がギタリストとして参加。戸川氏が「もともと派手な曲をさらに派手なアレンジでお送りします」と言うと、和嶋氏は「一緒に演奏できて光栄です」と笑顔をみせます。そんなほのぼのとしたムードのなか、ひとたび演奏が始まると原曲よりさらに過激なアレンジで会場は一気に怪しさ満点に。戸川氏の情念たっぷりの歌に和嶋氏の切り裂くようなギターが合わさり、これ以上ないマッチングでした。アンコールでは戸川純とバンドメンバー、そして人間椅子のメンバー全員が集結し夢のコラボバンド“戸川椅子”として『パンク蛹化の女』を披露。こんなに夢のような出来事が現実に起こるなんて……!  戸川氏はすべての力を振り絞るように激しくシャウトし、鈴木氏や和嶋氏、バンドメンバーの肩にもたれながら歌います。彼女の「私は虫の女」というシャウトを最後に大団円でステージは終了。戸川氏と人間椅子のメンバーひとりひとりがハグをし、何度も「ありがとう」と言葉を交わして、この激しく美しいコラボレーションを締めくくりました。

「今が1番かっこいい」状態を更新し続けるすさまじさ
今回のイベント『人間椅子/戸川純』は、人間椅子のMCでの鈴木さんが「高校生の頃、戸川純さんの『レーダーマン』のシングルを買いました。昔レコードを買った人と大人になってから共演するというのは素晴らしいことですね」と語ったとおりに、本当に素晴らしい共演でした。人間椅子、戸川純ともに1980年代より活動し人気を博しているアーティストですが、両者がすさまじいのは、2016年の今もなお現役で音楽活動やライブを精力的に行い、オーディエンスを存分に楽しませていることだと感じます。自身の音楽を追求し続け、“今が1番かっこいい”状態を更新し続けていることは並大抵のことでないでしょう。その音楽への愛の深さや真摯に表現を続ける姿勢に、感銘を受けずにはいられません……。この貴重な2組の対バンがまたどこかで行われることを願うとともに、両者の活躍に今後も注目です! ライブ情報を下記に掲載しますので、気になった人は今すぐチケットを取ってぜひ現場へ!!!

人間椅子ライブ情報

2016年 夏のワンマンツアー「地獄の道化師」全8公演!
全公演前売りチケット絶賛発売中!(東京公演のみ完売)

人間椅子。左から鈴木研一(ベース、ボーカル)、ナカジマノブ(ドラム、ボーカル)、和嶋慎治(ギター、ボーカル)

6月29日(水)長野 CLUB JUNK BOX
7月1日(金)新潟 GOLDEN PIGS RED STAGE
7月3日(日)高松 Olive Hall
7月5日(火)名古屋 Electric Lady Land
7月8日(金)大阪 味園ユニバース
7月10日(日) 東京 新宿ReNY
*チケット完売のため、ニコ生にて中継決定!
配信URLはこちら
8月9日(火)仙台 CLUB JUNK BOX
8月11日(祝木)青森 Quarter

野外フェスにも出演!
8月6日 『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2016』
8月13日 『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2016 in EZO』

戸川純ライブ&リリース情報

【ライブ情報】
7月8日(金)東京・新宿LOFT(ワンマンライブ)
出演:戸川純(Vo)、中原信雄(B)、ライオン・メリィ(Key)、矢壁アツノブ(Dr)、石塚“BERA”伯広(G)
ゲスト:山口慎一(Key :Yapoos)
前売り:4,000円/当日:4500円(ともにドリンク別)
チケット:ぴあ(295-000)、ローソン(Lコード:75741)、e+、店頭、通販(いぬん堂
*未就学児童の入場不可

【リリース情報】
非常階段×戸川純『戸川階段LIVE!』

非常階段×戸川純『戸川階段LIVE!』ジャケット

まさかのライヴ盤! 2016年2月21日に開催された東京・秋葉原GOODMANでの発売記念ライブを収録。
スタヂオ盤未収録の、『フリートーキング』『バージンブルース』も聴けますよ!

発売日:7月20日
品番:TECH-26481
定価:2,047円+税
発売元:テイチクエンタテインメント
メンバー:戸川純(Vo)、JOJO広重(G)、T.美川(Electronics)、中屋浩市(Programming,Synth,Theremin)

[榊ピアノ]