『BRADIOのファンキーハンター』【第5回:新世代の最注目インストバンドSnarky Puppy編】
人気上昇中の若手ファンキーロックバンドBRADIOが、より“Funky!!”なバンドを目指すべくファンキーなヒト・コト・モノに出会いに行く連載!
HI!! FUNKY PARTY PEOPLE!! ベースの亮輔です!
今回のBRADIOのファンキーハンターは、全世界で話題沸騰中のSnarky Puppy(スナーキー・パピー)を直撃だ! Snarky Puppyとはどんなバンドなのか!?
世界トップクラスのプレイヤーがそろう新世代のインストバンド!
彼らの最大の特徴は、固定メンバーがおらず、流動的にメンバーが代わるインストバンドという点だ。リーダーはベースのマイケル・リーグで、彼がバンドの作曲からプロデュースまでをこなしている。ジャンルはひと言では言い表せないが、ルーツミュージックを中心に、幅広いアレンジ、サウンドメイキングが施されている。各プレイヤーは世界でもトップクラスの実力派。ニューヨークのブルックリンを拠点としていて、世界中引っ張りだこ状態だ。
彼らの何がヤバいか……もう、とにかくライブがヤバい! 音源もレコーディングスタジオにお客さんを招き、オーディエンスの前でレコーディングしている。つまり、ライブがCDとなっているというわけ。彼らが“ライブ感”をすごく大切にしているということがよくわかるだろう。
プレイヤーなら誰もがうなずく演奏スキルと圧倒的なライブ。そんなSnarky Puppyが6月16日に赤坂BLITZ、18日に横浜BAY HALLにて来日公演を開催! これは行かないでどうする!というわけで今回はギターの聡一とファンキーハンター! 16日のライブに足を運び、リーダーのマイケル・リーグにインビューを敢行してきた!!
INTERVIEW
亮輔:赤坂BLITZのライブ、最高でした!昇天しました!
マイケル:ワオ!ありがとう!
亮輔:日本のファンの印象はどうですか?
マイケル:とにかく音楽に対して敬意をもっているよね。一生懸命に、そしてとっても静かに(笑)、音楽を聴いてくれるよね。僕らのようなインストゥルメンタルミュージックをよく理解してくれているから、僕らも演奏に集中できるよ。
聡一:本当に素晴らしいライブでした! Snarky Puppyがライブでいちばん大切にしていることってどんなことですか?
マイケル:とにかく楽しむことだね。僕らはツアーをして毎晩同じ曲を演奏するわけだけど、その瞬間にしか体験できないものをみんなで生み出したいと思ってるよ。
聡一:曲やライブによって編成が変わるのがSnarky Puppyの特徴ですが、どういう基準でメンバーを決めているのですか?
マイケル:僕らはメンバーが入れ替わるけど、みんなが平均的にライブをこなせるように割り振ることにしているよ。南米ツアーに行った人は次のツアーはお休みとかさ。
聡一:メンバーによってアレンジを変えたりもしますよね?
マイケル:各ミュージシャンが自分のパートだけじゃなく曲全体を理解しているから、そのときの編成に応じて対応していくんだ。例えばキーボードがふたりになった場合はパートをどう割り振るかとか、メンバーが少ない場合はそれをどうやって補っていくかとか、全員がちゃんとわかったうえで演奏しているんだ。全員が曲全体を理解することはとても大切なことだよ。
亮輔:いやぁ……勉強になります……。僕、あなたのベースプレイが大好きなんです。
マイケル:ありがとう!
亮輔:歌っているようなプレイで本当に素晴らしいと思うのですが、どんな練習をしてきたんですか?
マイケル:最近はメールのやり取りに時間を取られてて、練習する時間がないんだ……。昔からベーシストのプレイをコピーするなんてことはしてこなくて、優れた歌手とかピアニストとかホーンプレイヤーのソロをコピーしてきたよ。歌うような演奏が世界共通のコミュニケーション方法だと僕は思ってる。だから自分が演奏するときも、いつもそれは心がけているよ。あとは、大学時代にはこういう練習もしたよ。大体のメロディラインを適当に録音しておいて、あとからキーは何になるかとか、具体的な音符に置き換えるとどうなるかを考えながら弾いていく練習。自分の心のなかに響いた音楽的な言葉を、どういう風に楽器に置き換えるかっていう訓練になるんだ。
亮輔:レベルの高い練習ですね。僕らも同じ年なのに……。
マイケル:そうなんだ!? キミたちは僕なんかよりよっぽどルックスがいいじゃないか!
亮輔:いえいえ、全然そんなことないですよ……。ちなみにライブではエレキベースでエフェクティブなサウンドを出していましたね。どうやってあのサウンドを出しているんですか?
マイケル:MXRのM288 Bass Octave Deluxe、あとはボスのOC-2。このふたつは両方ともオクターバーだけど、音のニュアンスが違うから曲によって使い分けてるよ。そのほかにはMXRのM169 Carbon Copy Analog Delay、あとライブでは使わなかったけどMOOGのMF Driveも使えるようにしてあるよ。
聡一:Snarky Puppyはあなたもちろん、各パートのプレイヤーがみんなハイスキルで、日本にはそれぞれにファンがいるんですよ。
マイケル:それはとっても嬉しいね!
聡一:これから楽器をチャレンジする人に向けて、上達のコツを教えてください。
マイケル:まずは自分の楽器を何千時間も練習して、その楽器をよく知ること。それでやっとスタートラインに立てるんだ。そしてもっとも大切なのは、まわりの音を意識してその音を感じ取って、自分の演奏に生かすことだよ。
聡一:何千時間でやっとスタート……。もっともっと練習しないと。今後はどんなことにチャレンジしていきたいですか?
マイケル:このツアーは9月まで続いて、来年になったらまた新しいツアーが始まるんだけど、来年の終わりくらいにクレイジーなことをするんだ。Snarky Puppyで世界のいろんなところに行って、2ヶ月くらいかけてレコーディングする予定なんだよ。
亮輔:行きたい、それ!
マイケル:ぜひ、おいでよ(笑)!
亮輔:最後の質問です。この連載は“ファンキー”をテーマにインタビューしているのですが……あなたが“ファンキー”だと感じるのはどんな瞬間でしょうか?
マイケル:えっと……こういうインタビューのときだね(笑)!
一同:(笑)!
マイケル:真面目に答えると、ファンキーっていうはロックとか同じで、自分のアティチュードだと思うな。自分がどうあるべきかっていうかさ。文化的に考えると黒人教会と密接なものだよね。僕はノーステキサス大学時代に黒人教会と交流がたくさんあったから、そういう文化が身近だった。改めて考えるようなことでもないくらい、自分にとっては自然なカルチャーだよ。