アイドルと高校サッカーに青春を感じる かっつんさん【たのしいドルヲタ図鑑・10人目】

連載・コラム

[2016/8/31 17:00]

さわやかなかっつんさんは推しているアイドルもさわやか

そんなかっつんさんが現在入れ込んでいるのは、ソニーミュージックアーティスツ所属アーティストの楽曲をカバーするアイドルユニット、“アイルネ”ことアイドルネッサンス、ひとつのジャンルに留まらない楽曲群と唯一無二の世界観が魅力のアイドルユニットamiinA、福岡県久留米市から生まれたアイドルユニット963の3組。さわやかなかっつんさんは、推しているアイドルもさわやかだ。

アイドルネッサンス『君の知らない物語』
amiinA『Atlas』
963『ストロー』

アイドルネッサンスのフライヤーはとても凝ったデザインで、つい集めてしまうそう。誤植をメンバー本人が手書きで直したときもあったようだ。「筆跡でどのメンバーが書いたのかを当てるのがヲタクの間で流行ったりしました(笑)」。
左からAKIBAカルチャーズ劇場の夏の新人公演にアイドルネッサンスが出演したときのもの、アイドルネッサンス、amiina、amiinaのCD購入時にくじ引きの景品だったTシャツ。アイルネのTシャツは推しである石野理子からのサインとメッセージ入りだ
上から963、かっつんさんの推している3グループが共演したイベント『WONDER TRAVELLER』、アイドルネッサンスのタオル。デザインもオシャレ!


推しているグループから突然のメンバー脱退「晴天の霹靂だった」

かっつんさんが推している3組は、ともに2016年にメンバーチェンジを遂げる。アイドルネッサンスには新メンバーとして原田珠々華と野本ゆめかが加入。amiinAは2月にかわいみいなが脱退し、5月に新メンバーとしてmiyuが加入。やーぷんとぴーぴるのふたり組で活動していた963からは6月にやーぷんが脱退した。近年のアイドルユニットではメンバーの卒業や脱退が珍しくない。応援しているユニットから突然メンバーが脱退・卒業してしまうと知ったとき、かっつんさんはどんな気持ちに?「そうですね、両者とも突然といえば突然だったんですけど、amiinaのみいなちゃんは最後の公演があったんで、ファンもそこでちゃんと見送って、笑顔ですがすがしくお別れすることができたんですけど、963のやーぷんは状況が違って。突然脱退が発表されて、理由も提示されず、その日以来会えなくなってしまったんです……。晴天の霹靂というか、何も言わずに“転校”してしまったような感覚ですよね。ふたりの脱退を知って感じたのは“もったいないな”っていうのと“さみしいな”っていう気持ちですね。“本人がいろいろ考えた末に辞めるという決断をしたなら、しょうがないのかもしれないな”っていう気持ちと、“これからどんどんおもしろいものが観れると思ってたし、さみしいな”っていう気持ちが両方あって。すごく複雑でしたね。ライブを“観に行く側”って、人それぞれいろんなものを求めて足を運んでいると思うんですけど、観客が勝手に求めているものを、演者であるアイドルたちに永遠に課す訳には当然いかなくて。アイドルはアイドルで、年頃の女の子なので学校だってあるし、家庭の事情だってあるし、友達と遊びたいって思ったり異性を好きになったりするのも当然だと思いますし。それをヲタクが、ただ自分がずっと観ていたいからって“辞めないで”とは、自分は言えないな、とは思います。自分は、青春の1ページを、ただただ偶然みせてもらってるだけなので、いろんな想いや気持ちの移り変わりがあって辞める、ということに対しては責められないなっていう気がします。でも辞める理由にもよるんですけどね、本当に“そんな半端な気持ちなら最初からやらなくても……”って思うようなニュースもたまに見たりするから、その辺りはみんながみんな同じ感情で言える話ではないと思うんですけど」。
963もamiinAも、メンバーが変わっても変わらず応援したい?「amiinAは本当に新メンバーのmiyuちゃんとamiちゃんがふたりでスッと出てきて『Atlas』のイントロが流れて、本っ当に5秒くらいで“これは間違いない!”って思えるくらい、すごい良くて。みいなちゃんのいたamiinaとは全然別物なんですけど、比較とかじゃなくて純粋に“このグループ好きだな”って思えるので、これからも観続けると思います。というかこれからも追いたいですし、これからどうなっていくのか期待する気持ちが強いですね。963はまだ新メンバーが加入してなくて、メンバーのぴーぴるがひとりでやってるんですよね。でもひとりになってから初めて観に行ったら、予想以上に良くて、もう本当に“ひとりでここまでやるんだな”っていうことにびっくりしたんです。ぴーぴるがすごいくがんばってるのが心から伝わってきて……。ふたり組のユニットでメンバーが辞めて自分ひとりっていう状況は、もし自分が同じ立場だったら絶対辞めるだろうって思うのに、あの子はひとりでステージに立って、どんどん進化を遂げているんです。今は本当に、963にとって、ぴーぴるにとって、“ひとりでどこまでやれるか、っていう”修行のときなんだろうなって思います。すごい酷だし大変だとは思うんです。がんばってる子にこれ以上がんばれっていうのもつらいですけど、彼女に対して “がんばれ!”としか言えないし、とりあえず何かあったらあいつのせいにしろと(笑)。そして、これからも応援したいなって思いますね」。

たったひとりになってしまった963のメンバー、ぴーぴるからのサイン入りCD。切ない……


かっつんさんの心の一節「世界が決めた現実から飛び出せ もっとずっと遠くまで」

上記はamiinAの楽曲『signal』の歌詞の一節だ。今回かっつんさんを取材して感じたことは、“若い世代”を応援することの楽しさや面白さだ。彼が現在行っている精力的なドルヲタ活動は、ひっそりとアイドルを応援せざるを得なかった青春時代の反動ではなく、夢を持った若いアイドルたちの未来を全力で応援したいという気持ちの表れ。長い道の途中で脱退や解散などの悲しい事件も起きてしまうが、それもすべて彼女たちの素晴らしい未来に繋がっている。そんな考えは彼が好きな高校サッカーにも通じるのだろう。かっつんさんは今後、若いアイドルやサッカー選手たちが描く、たくさんの“予想外のもの”をみたいそうだ。彼の想像を超える素敵な出来事がたくさん起こってくれることに期待しながら、その背中を応援していきたい。

[耳マン編集部]