「プリカ詐欺師と喋ってみよう・3」タケムラ アキラ(SNAIL RAMP)の『炎上くらいしてみたい』

連載・コラム

[2018/1/5 16:30]

1990年代後半から2000年代のバンドシーンを牽引したSNAIL RAMPのフロントマン・タケムラ アキラが書きたいことを超ダラダラ綴っていく新連載! この人……ホントにキックボクシングの元日本チャンピオン!?


明けまして謹賀新年。今年も謹賀新年。

犯罪行為を仕掛けてくる方々とは積極的に喋ってみようという性癖を持っている、SNAIL RAMPタケムラです。いままで「オレオレ詐欺」を仕掛けてきた人と喋ってみたり(『オレオレ詐欺と喋ってみよう!前編』)、まったく当たっていない当たり屋と喋ってみたり(『当たってない当たり屋と喋ってみよう』)と、ここ数回はそんな経験を書き連ねていましたが、現在はプリカ詐欺を仕掛けてきた詐欺師と喋ってみた話(『プリカ詐欺と喋ってみよう』)が進行中です。

<耳マンのそのほかの記事>

このプリカ詐欺師とのやり取りはこの連載を遡って読んでいただきたいが、「そんな時間ねえんだよ!女房が産気づいてんだ!」ってアナタ。一刻も早く奥さんの元へ駆けつけてください。でも陣痛の合間にも読めるよう、いままでの流れだけは俺が貼っておきましょう。「ヒィヒィ、フ~」と奥さんに合わせて呼吸しながら、バレないようお読みください。

始まりはこう。

で、こう。

今回はこの続きです。プリカ詐欺師が乗っ取ったLINEアカウントが知人女性のものだったため、「その女性と付き合ってたがフラれた」設定で会話をしています。とにかく元サヤしたい俺は「ヨリを戻す、と言ってくれるなら買いに行ってくる」と宣言。

すると詐欺師は、

「冗談しないよ」の破壊力。衝撃でした。昭和の漫画なんかでは日本語を喋る中国人が「行くアルヨ」「食べるアルヨ」といった日本語を使うシーンはありましたが、近年日本に来ているアジア系留学生の日本語を聞いていても、そんな言葉聞かないですから。

「ほ、本物だ……」

ついに憧れのスターにでも会ってしまったような衝撃に襲われた俺は、思わず返してしまいました。

しかし本物である詐欺師は、そんなことも意に介さず確認してきます。

敵はあくまでも自分の要求を押し通すつもりです。しかしそれはこちらとて同じ。

当然「ヨリ」をです。ヨリを戻せるならば6万円払ったっていい、自分で作りだしたはずの架空の設定に自分がハマりかけている俺でしたが、むしろ詐欺師は冷静です。

柔和な口調で俺から6万円を巻き上げようとしてきます。かくなる上は、こちらの要求もハッキリ伝えるべき。俺は「NOと言える日本人」になるんだ!と、昭和を生きた人たちにしか通じない本のタイトルを決意に変え、詐欺師に通告しました。

俺がヨリを戻そうと言っても常にはぐらかしてきたプリカ詐欺師。

「何で俺と付き合ってくれないんだ!!」

我慢の限界に達した俺は「とにかく6万円払ってお前と付き合う!そしてそのまま抱きしめる!」と第二次性徴期の勢いそのままを詐欺師にぶつけました。

おまけに「そして抱きしめるよ、きつく、きつく。」という文。言っとくけど俺、歌詞だってこんなの書いたことないからね。

「倒置法……久しぶりに使ったな。つか外国の人にこのニュアンスが伝わるんだろうか?」と相手の日本語力に不安を覚えながら、そして詐欺師は俺とヨリを戻してくれるのか不安に思いながらLINEを送信!

俺の情熱に対するプリカ詐欺師からの返信はいかに!?

謹賀新年。

【著者紹介】

タケムラアキラ(竹村哲)●1995年にスカパンクバンドSNAIL RAMPを結成。2000年にリリースしたアルバム『FRESH BRASH OLD MAN』でオリコン1位を獲得するなど、一時代を築く。バンド活動と並行し、2001年からキックボクシングを始め、2014年10月に43歳の年齢でNKBウェルター級チャンピオンに輝く。2015年12月12日には後楽園ホールにて引退試合を行なった。SNAIL RAMPは現在、“ほぼ活動休止”中。

[タケムラ アキラ]