ギターがうまい芸人と言えばこの人! 松浦真也のギター愛&音楽愛に迫る

連載・コラム

[2016/4/29 12:00]

アコギ演奏のこだわり〜トミー・エマニュエルの影響〜

新喜劇ではアコースティックギターをメインで使用。エレキギターを弾き始めてからはほとんど触っていなかったというが、今ではアコースティックギターのほう弾きやすいという。プレイのこだわりについて聞いた。

影響を受けているのはこの人

「アコギの場合、単音で音を出して弾いてるだけじゃカッコ悪いので、いかにコード弾きと単音弾きを組み合わせられるかっていうところを考えるようにしています。アコギの奏法で参考にしたのは……トミー・エマニュエルですかねぇ。あの人、めちゃめちゃうまいのに、動き回ったり、楽しそうに弾くところも好き!」

愛器は1962年製のギブソンB-25!

では、真也の愛器を紹介しよう! メインで使用しているのは2011年に入手した1962年製のギブソンB-25。同モデルが誕生したのは1962年なので、初年度のレアな1本だ。新喜劇でギターを弾くことが増えたときに、当時のギターの音にやや不満があり「毎日弾くなら弾く喜びがほしい」との思いから購入。購入時にもドラマチックなエピソードがあったようだ。

トップ材はスプルース、サイド&バックはマホガニー、ネックはマホガニー、指板はローズウッドだ

「予算10万円で大阪中のギター屋さんを探し回ったんですよね。それでビンテージ系の楽器屋さんに行って、“ガラーン!ってしっかり鳴るギターがほしいんです”って言ったら、店長のおっちゃんが“これがいいよ!”って持ってきてくれて。弾いてみたら……チビりそうになるくらい良い音で。ホンマにビックリして。でも値段は20万円……。いま思えば安いのかもしれないですけど、当時は予算オーバーだったので“一週間考えていいですか?”って言って帰ってきたんです。それで一週間後にまた行って“あのギターもう一回弾きたいんですけど……”って伝えたら“もうチューニングしてあるよ”って言うんです。それでギターを受け取って、一回だけCのコードを鳴らして“これ……買います”って(笑)。貯金も全然ないし、しばらくは地獄みたいな日々になりましたけどね(笑)」

シリアルナンバーは96162

小ぶりなギターは新喜劇にぴったり!

B-25はボディが小ぶりなモデルだが、新喜劇の舞台にはぴったりだという。

舞台上でガシガシ使っていることもあって、近くで見るとたくさんの傷がついている。雰囲気があってカッコイイ!

「大きさは全然気にせずに音の良さだけで買ったんですけど、偶然にも新喜劇で使うのにすごく適してて。新喜劇では動きながら弾くので取り回しが良いし、軽いからこれで突っ込んでみたりとか、いろいろなことができます。音も低音がズンズン鳴ってくれるし、ピックでカッティングしたときのヌケる感じもすごくいいんですよ。運命の一本です!」

楽器屋のおっちゃんには「絶対穴は空けるな!」と言われたのに後付けしてしまったストラップピン。新喜劇で使うなら仕方ないっす……

なお、このギターのほかにもサブとしてマーティンの000-28(2011年製)を所有。エレキギターではフェンダー60周年記念のストラトキャスターも持っている。

マイクを“付けない”こだわり

このギターにはピックアップ(マイク)が付いていないが、新喜劇の舞台には5〜6本のフットマイクがステージに取り付けられているため、そちらで声&ギターの音を拾ってくれるので問題はないという。さらに、真也はマイクを“付けない”アツいこだわりを語ってくれた。
「“借金のカタで取ってきたギター”だったり“ゴミ箱に落ちてたギター”だったりっていう設定があるので、そんなギターにマイクが付いてたらイヤでしょう。やっぱり現実味があったほうが笑えるじゃないですか。マイクをつけたほうが音が良いのはもちろんだと思うんですけど、それは嘘くさいからイヤなんです」

ギター拾ってきたでぇ

[耳マン編集部]