学業とドルヲタを両立し“DD”と“単推し”のはざまで揺れる とおるさん【たのしいドルヲタ図鑑・8人目】
元DDの本音「やっぱり、どの現場も行ったら楽しいんで……」
しかし、DDという沼に一度ハマッてしまった人間がそう簡単に沼から抜けられるものなのだろうか? とおるさんに、本当のところを聞いてみた。「あの、一番目標はDDを卒業することなんですよ。僕の部屋に飾ってあるTシャツが、虹コンとルーチェとi☆Risのグッズなんですけど……このサイン入りのTシャツたちを、どれかひとつにしぼれるのかっていう……(笑)」。みなりんを単推しすると約束したのでは?「ちょっとふらっとはしてるんですけど、軸をとりあえずみなりんって決めたんで! ただ、ほかの現場をどうするのかっていうのが、難しいんですよね……(困った表情を浮かべながら)。楽しいものは楽しいでいい、と思ってるんです。ただ、接触を控えてるんですよね、ほかの現場で。それは約束のために……(笑)」。なるほど、ライブは観に行っても接触はしない、というスタンスを持つことで、とおるさんはみなりんへの操を立てようとしているようだ。
「大学の女子には心を開けないけど、アイドルには何でも話せる」
大学の女子には心を開けないとおるさんだが、アイドルには何でも話せるそう。先ほどみなりんに悩みを打ち明けられると言っていたが、逆にとおるさんがみなりんに悩みを打ち明けることもあるのだろうか?「僕の悩みも……言いますね。ふふふふ(笑)」。推しには心を開ける?「だいぶ開いてますね(笑)。大学の女子には心を開けないけど、推しには開けますね。家族なんですよ(笑)。毎週・毎月現場に通って行くうちに、友達や知り合いとは違って、家族みたいな近しい存在のような気持ちになってくるんです。みなりんも悩みを打ち明けてくれたりして、彼女はネガティブな部分もある子なんですけど……彼女がネガティブな気持ちになっているときは励ましたくなるし、元気になってほしい、笑顔でいてほしいって思うんですよね。これは自分が目指している薬剤師という職業とつながるところだと思うんですけど。大学で、薬局実習と病院実習が5ヶ月ずつあったんですね。実習で実際に患者さんと触れ合うんですけど、薬局実習のときに精神科医の門前の薬局に行かせてもらったことがあって。そのときに、ネガティブな気持ちになっている人とお話するということや、そのうえで気を付けることとかをたくさん学んで。そういう体験をしたときに、病気になってもがんばって日々を過ごしたり乗り越えようとしてる人を見ながら“あぁ、励ましてあげたいな……”っていう気持ちになったんです。そういうこともあって、改めて“薬剤師になりたい”と思ったんです。現場で働いている薬剤師さんもみなさんすごく患者さんに親身になっていて、泣きながら患者さんの話を聞いてる薬剤師さんを観たときに“あぁ~すごいな……”“こういう人になりたいな”と思いました」。
人に尽くしたいという気持ちはアイドルへも同じ
患者さんを元気にしてあげたいという気持ちとアイドルに尽くしたいという気持ちは、やはり似ているのかもしれない。とおるさんはアイドルに対しても尽くしてあげたいと感じるのだろうか?「基本的に僕は相手本意なんですよね(照笑)。自分が応援してる人に、少しでも応援することによって元気になってもらいたいと思いますね。自分もアイドルから元気をめちゃめちゃもらってるんですけど、もらってばっかりじゃアレだし。返したいっていうのはありますね。日々の暮らしのなかで、朝から夕方まで大学にいて、ほとんど机の上で勉強してて、授業が終わったらヘトヘトになるんですけど、そのあと“今日のやるところまで終わった、よし、アイドルと楽しもう!”っていう感じで現場に行って、平日も休日もいつもアイドルに元気をもらってるんですね。だから、その分を少しでもアイドルに返したい、還元したいと思って、現場に通ったりCDを買ったりして応援してるっていうのはあります。もちろん自分が楽しいからっていうのはあるんですけどね(笑)」。
「お仕事と推し事を両立していきたい」
とおるさんは現在学生だが、社会人になってもアイドルを応援したい?「僕はこれからも、このままでいきたいです。長田みなりん単推しで。ふははは(笑)」。社会に出たら、職場の人にはドルヲタだということは隠す予定?「薬局って女性が多いんですよ。そうですねぇ、女の人には言いづらいですねぇ、少し(笑)。でも、“お仕事”をするようになっても“推し事”はしていきたいですね。お仕事と推し事を両立していきたいです(笑)」。ドルヲタとしての今後の目標は?「一番の目標はDDを卒業することなんですよ。長田みなりん単推しを続けていくことです」。単推しの約束を守った先には何があるのだろう?「単推しになって、みなりんと今以上の絆が生まれたらいいんですけどね。ふふふ(笑)。やっぱりアイドルをずっと応援していると、長い期間ひとりの人だけを好きでいるのってすごく難しいので。単推しすることで、人間として成長できるのかな……(笑)。一途ではありたいんですけど、いいものをいいって評価したいっていうのもあるし。でも、みなりんにハートはがっちり掴まれてるんで(笑)、今後は徐々に“ファッションDD”ぐらいになるのが目標ですね(笑)。あとは、自分自身の目標としては……患者さんから信頼される薬剤師になるっていうのが目標ですね。アイドルと関係をつくるのも、信頼関係で成り立つっていうことだと思うので。今後はアイドルとも信頼関係をつくりつつ、患者さんとも信頼関係を築ける薬剤師さんになりたいです」。
とおるさんの心の一節
「忘れないでね 寂しいときは僕がそばにいることを 頼りない僕は頼れる僕に変わりたいと思うんだ」
上記はとおるさんがアイドルを好きになるきっかけとなった田村ゆかりの楽曲『君をつれて』の一節だ。とおるさんは思春期の頃から日常のなかで自然にアイドルに元気をもらい、アイドルとともに成長して現在に至っている。そして現在もDDから単推しへ、学生から薬剤師へ成長を遂げている最中だ。今後もとおるさんは持ち前の優しく温かい心でアイドルを応援しながら、“患者さんと信頼関係を築ける薬剤師”になる夢を叶えていくことだろう。アイドルに対しても将来の夢に対しても真摯に向き合うその姿に注目したい。