パープル・レインとゆかりふりかけ〜プリンス追悼〜オバッチの『ロックな食生活』【第11回】

連載・コラム

[2016/4/26 13:45]

『スターの訃報が続きます』
え?嘘でしょ?と、プリンスの訃報を知って声が出てしまいました。数日前にインフルエンザでコンサートを中止して、病院に搬送されたってネットニュースを見て、殿下も人間なんだなぁ、なんて思ってたばっかりだったのに……。

過去にタモリ倶楽部に出演させていただいたときに、名作空耳のアーティストのジャケ弁を作って行くことになり、そのときに作って持っていったのが、これ(プリンス『バットマン』)です。

空耳「バットマァ〜ン!農協牛乳!」(※『バット・ダンス』より)

ちなみにこのパッケージ、空耳二ストの安斎肇さんがデザインに関わってらしたはず。

これは、フレンチトーストにチョコクリームを塗って作った甘い味のジャケ弁でした。

『紫色はゆかりふりかけ』
ジャケ弁の話に戻ります。今回は食材の色についてちょっとお話しますね。作るときに何の材料を使うか?

例えば、黒なら焼き海苔、白ならカマボコ、赤ならパプリカ、黄色は卵、緑はほうれん草、ピンクはたらこ、などなど、ジャケットのカラーに近い色の食材を選ぶのも大事な工程です。

紫と言えば、濃い紫ならナスの漬物の皮の部分ですね。

ところで紫の食べ物で、とてもジャケ弁を作るのに便利なものがあります。それが、これ、ゆかりふりかけ。

濃い紫なので、黒の部分に代用できるんですね。砂が舞ったような表現をするときに最適です。例えばこんな使い方。レッド・ツェッペリンの『レッド・ツェッペリン I』です。

今回はこの手法を用いて、プリンスのジャケ弁を作ろうと思います。プリンスといえば紫ですしね。


『横顔のあのアルバム』
(1)お弁当箱にご飯を敷き詰めます。

(2)カットした焼き海苔を配置していきます。

(3)ジャケットは背景と顔が同化していますが、今回は横顔を際立たせたいので、焼き海苔を横顔のラインの形にカットし、配置します。

(4)文字と、目の部分などもカットして配置します。

ほぼ、完成しました!


『飛び散るゆかりふりかけ』
ゆかりふりかけの出番です。今回はこのために特殊なゆかりふりかけを購入してきました!

ペン型のゆかりふりかけです。

ゆかりふりかけを袋からふりかけると広範囲に広がってしまうので、小さいスプーンにゆかりふりかけを乗せてから、ふりかけたりしていました。

そんな悩みを解消してくれるペン型が登場していたのです。

都内で販売してるのは銀座にある広島のアンテナショップのみ。ネット通販でも買えるみたいです。

さて、ふりかけます。

おお、思ったところに飛び散るゆかりふりかけ。殿下のお髭が……生えていきます。

プリンス『ザ・ヒッツ&Bサイド・コレクション』完成です!!!

飛び散るゆかりふりかけが、パープル・レイン(※プリンスの代表曲)にみえました。

プリンスのご冥福をお祈りします。

【著者紹介】

オバッチ(ジャケ弁職人)
本職は印刷関係のデザイナー。料理の腕は人並み、手先は器用。好きなミュージシャンはレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、ナイン・インチ・ネイルズ、ベン・ハーパー、岡村靖幸など。いつかザック・デ・ラ・ロッチャさんにお弁当を食べてもらうのが夢です。

[耳マン編集部]