岡村靖幸『幸福』発売記念11人連続レビュー企画〜成田大致(夏の魔物)編〜

特集・インタビュー

[2016/2/2 19:00]

岡村靖幸『幸福』をベイベな11名が連続レビュー!
岡村靖幸が1月27日にリリースしたオリジナルアルバム『幸福』の発売を記念して、耳マンでは岡村ちゃんを大特集! “11年ぶり”にかけて、岡村ちゃんをリスペクトし、愛してやまない“ベイベ”による新作レビューを11夜連続でお送りします。2人目は音楽フェス『夏の魔物』の主催者でありバンド・夏の魔物のメインボーカルを務める成田大致氏です。

成田大致(夏の魔物)
『拝啓、岡村靖幸様』

夢をあきらめきれず25歳で青森から上京、何もかも初めての東京暮らし。あれ? 俺が憧れてた東京ってこんなのだったっけ? と挫折の日々。

ベランダに立って泣きながら聞いた『エチケット』。あの時、『エチケット』を聞きながら「俺にとっての“幸せ”ってなんだっけ?」と考えた。CDのなかでの岡村さんは(当時)46歳になっても、胸のなかでヘビメタのドラムを熱演しているような歌を歌っていた。「きっと今の俺では、岡村さんのように10年後も同じ気持ちで歌うことはできない……」そう強く感じ、俺は当時組んでいたバンドをやめた。モッズスーツを脱ぎ捨て、自分らしくやりたいように生きようと決めたのだ。

あれから数年。俺は今この“東京”で生きていき、バンドマンとして本気で頑張りたいと日々走り続けている。無難なロックじゃ楽しめなくなった俺だけど、今は“誰も聴いたことのない唯一無二のロック”が作りたくて、夏の魔物というバンドを組んだ。こうして新作を聴いて、また同じように刺激を貰えていることや、自分も音楽を続けていれることが嬉しいし、岡村さんには一方的に感謝している。

『幸福』とは何か。俺の人生のその先が『幸福』なのか。答えはまだだいぶ見つかりそうにないけれど、あの日流したナミダや想いを抱えながら今日もベランダで岡村さんを聞いています。

いつの日か岡村さんと真剣勝負できるその日まで。俺は戦い続けます! イヤァオ!

【著者紹介】

成田大致(夏の魔物)
2006年から青森県で毎年開催されているフェス『AOMORI ROCK FESTIVAL -夏の魔物-』の主催者であり、エンタメユニット夏の魔物でボーカルを務める。2015年8月にシングル『恋愛至上主義サマーエブリデイ / どきめきライブ・ラリ』でメジャーデビューし、2016年1月にはセカンドシングル『東京妄想フォーエバーヤング / ダーリン no cry!!!』をリリースした。


【本企画に参加してくれた11名のベイベたち】
・榊ピアノ(耳マン研究所)【2/1 UP】
・成田大致(夏の魔物)【2/2 UP】
・天照大桃子(バンドじゃないもん!)【2/3 UP】
・澤部渡(スカート)【2/4 UP】
・本間悠子(HMV 立川)【2/5 UP】
・南Q太(漫画家)【2/6 UP】
・古森57YO優(リットーミュージック社長)【2/7 UP】
・オカモトレイジ(OKAMOTO'S)【2/8 UP】
・川本真琴【2/9 UP】
・福岡晃子(チャットモンチー)【2/10 UP】
・小出祐介(Base Ball Bear)【2/11 UP】

[耳マン編集部]